Fluid流体

流体事業部は、水インフラのための水中ポンプ等、水処理機器の製造を主に手掛けています。
その仕事内容を下水処理や排水処理場などで汚水の移送に欠かせない、
高効率・高通過性水中ポンプ「CNWX」の開発を例に説明します。

沖添 晃政

開発に関わった人たち

2009年、私は本社開発センタ(現・技術部)に所属しており、グループ長のもと、他メンバー2人とともに流体事業部 小野工場(兵庫県小野市)の設計部・製造部と協力しながらプロジェクトを進めていきました。開発センタでは、流体部分をメーンに羽根車、ケーシングの研究を担当。当時入社4年目だった私はこのプロジェクトを通じて、ポンプの基礎はもちろん、現在の仕事につながる幅広い知識と技術を学ぶことができました。

開発に関わった人たち
沖添 晃政

開発エピソード

生活者の水インフラを支える高効率・高通過性水中ポンプ「CNWX」は、その母体となる「CNW」というポンプを改良したもので、現在では当社の主力製品です。私は入社当時から「CNW」を担当していたこともあり、この開発に携わることになりました。水中ポンプの大前提は、排水溝から流れてくるゴミなどの“異物が詰まらない”ことです。しかし、異物を通過させるため流体部分の通路を大きくするとポンプの性能や効率が低下してしまいます。相反する通過性、性能の両立を目指し試行錯誤する中で、流体部分を改良し、新しい羽根車を開発。また、構造を見直すことで高効率でありながら通過性を高めた水中ポンプへと進化させることに成功し、業界の常識を覆しました。結果として、この羽根車が当社のポンプの最大の特長と言われるほどになりました。この開発で、ポンプの基礎だけでなく振動問題や開発ツール(3DCAD)、流体解析(CFD)を学ぶことができ、私の仕事の礎となっています。

ココがすごい!

  • 業界の先駆けとなった「CNWX」の羽根車
    業界の先駆けとなった「CNWX」の羽根車 「CNWX」の開発以来、当社のポンプの特長といえば羽根車です。吸込流路をらせん形状にしたことで高効率性と高通過性の両立に成功しましたが、現在では他社が追随してきています。パイオニアとしてのプライドにかけて、さらなる進化と社会貢献を可能にするポンプの開発を目指しています。
  • お客さまの要望に応え、多種多様な仕様に対応
    お客さまの要望に応え、多種多様な仕様に対応 日本のメーカーの多くは、昔から大量生産で利益を生み出してきました。しかしお客様のニーズが多様化する昨今、我々に求められるのは、個別対応。たとえ少量でも対応していく必要があり、そこに当社の強みがあります。当社は、古くから他社がお断りするような要望にも柔軟に応えてきました。たとえ技術的に困難なニーズであってもお客様の声を製品開発に反映させたものづくりをしています。

生産拠点案内

流体事業の生産拠点は、小野工場です。水中ポンプをメーンに水中ミキサ、ブロワなどの流体製品の研究・開発・製造までの全てを手掛けています。また、新しい技術や基礎研究を担当する部署も新設されました。社内の雰囲気がよいので情報の共有がスムーズです。開発部門と製造部門が近くにあるため、開発中の製品の試験や加工などの問題もすぐ相談でき、早々に解決できます。

生産拠点案内

仕事のやりがいエピソード

開発から製品化までのプロセス全てに携われる。そこが最大の魅力です。私は、大きな製品の一部を作るよりも部品のひとつひとつを組み立て作りあげるものづくりが好きで、完成形を目にした時はとても感慨深いものがあります。入社当時、実は「流体」に苦手意識がありました。しかし、飛行機や車にも使われる技術であり、あらゆる研究に必要となるのが「流体力学」。また、ポンプには流体だけでなく、振動や材料等様々な知識が必要であり、学べば学ぶほど奥が深く、極めていく価値があると思うようになりました。今では得た知識と技術、そして経験を活かし水中ポンプを中心に開発しています。私の仕事は裁量が大きく、責任も重くプレッシャーもありますが、幅広い分野に携わることができるので、非常にやりがいを感じています。我々の扱う製品は、普段目にすることのない場所で人々の生活を支える水インフラの一端を担っています。社会の安心・安全を守っていかなければならない。責任とやりがいのある仕事だと実感し、世の中に貢献できる新たな主力製品開発を目指して、日々、まい進していきます。

水処理機器の主な製品

  • 高効率・高通過性水中ポンプ「CNWX」
    高効率・高通過性水中ポンプ「CNWX」 新型ノンクロッグタイプの羽根車を採用し、高いポンプ効率を実現。省エネルギー化・維持管理費の低減に貢献。
  • 高効率水中ミキサ「SMEシリーズ」
    高効率水中ミキサ「SMEシリーズ」 最適設計したプロペラとモーターの新開発により、消費電力を従来品比で最大40%削減し、省エネルギー化を実現。